黒の衝撃は今も続く。Yohji Yamamotoを知る7つの視点【初心者にもわかる解説】

黒の衝撃は今も続く。Yohji Yamamotoを知る7つの視点【初心者にもわかる解説】

Yohji Yamamoto世界。哲学・ブランド解説・名品紹介まで、NOWALL語る“ウジ沼”入り口。

マルジェラ沼へようこそ。ファッションがもっと面白くなる“裏ブログ” Reading 黒の衝撃は今も続く。Yohji Yamamotoを知る7つの視点【初心者にもわかる解説】 1 minute

1. 耀司さんってどんな人?天才というより哲学者?

黒づくめの服を着た、言葉少なめな佇まい。その人こそが山本耀司。1943年東京生まれ、母親が仕立て屋だった影響もあり、慶応義塾大学法学部を卒業した後、文化服装学院へ。弁護士志望からの転身。人生っておもしろいですよね。

1981年にComme des Garçons(川久保玲)とともにパリコレに登場し、「黒の衝撃」と世界を揺るがせたデザイナーです。

彼の服作りには常に「反骨」がある。美しさを追わない。体を隠す。余白を愛する。そんな彼の服は“誰のものでもない自由”を感じさせます。
23歳の記者から山本耀司へ37の質問 - WWDJAPAN


2. Yohji Yamamotoの服って、なんで黒いの?

「なぜ黒なのか?」と聞かれて、耀司さんはこう言います。「黒はすべてを受け入れる色」だと。

装飾をそぎ落とし、主張をせず、でも誰にも染まらない。そんな黒には、静かなる強さがあります。

「黒って地味じゃないの?」って言われるかもしれないけど、それが逆に“余白”になる。着る人の個性や思想がその空間に浮かび上がる。そんな“見えない美学”が、ヨウジの黒には詰まってるんです。
女性の肌は黒を合わせると美しい」 ヨウジヤマモト2024年春夏コレクション


3. “身体を隠す服”のかっこよさ

「服は身体を美しく見せるものではなく、守るものである」

これは耀司さんの有名な言葉。人の形をなぞるのではなく、むしろ覆い、歪ませ、ズラしていく。

ドレープ、ボリューム、アシンメトリー、そして風に揺れる布の動き。

その“間”の美しさこそがヨウジ。肌を露出しない。なのにセクシー。そんな矛盾を成立させてしまうのが、彼の天才性でもあり哲学です。


4. Y's for men、Yohji Yamamoto pour homme、Y's、Y-3の違いとは?

「ヨウジってブランド名いろいろあるけど、正直よくわからない……」って思ったこと、ありますよね?実はこの“分かりにくさ”もヨウジらしさ。でも、ちゃんと理解すると、それぞれの“顔”が見えてきます。

■ Yohji Yamamoto pour homme

いわゆるメインライン(メンズ)。1984年スタート。パリコレで発表される本筋のコレクションで、哲学性・実験性・構築性のすべてがここに詰まってます。

■ Yohji Yamamoto FEMME

レディースのメインライン。1981年スタート。パリコレで世界を驚かせたのはこちら。

■ Y's(ワイズ)

1972年にスタートした、山本耀司が最初に立ち上げたブランド。実はpour hommeより先です。デイリーウェアとして着られる機能性・実用性に重きを置いたライン。

■ Y's for men(ワイズ フォー メン)

Y'sのメンズ版。90年代に展開が始まり、2009年に一度終了したが、2023年に復活。pour hommeとはまた違った“気負いすぎないリアルな男性像”を描くライン。

■ Ground Y(グラウンド ワイ)

2014年スタート。「ジェンダーレス・エイジレス・ボーダレス」を掲げる新ライン。ヨウジの哲学をもっと手に取りやすく、若い世代にも広げるための入り口。価格帯も少し抑えられ、ファンの裾野を広げました。

■ Y-3(ワイスリー)

2003年、adidasとのコラボで誕生。スポーツ×モードの融合。スニーカー好きなら誰もが知っているY-3 QASAやKAIWAなど、ヨウジの哲学をストリートに落とし込んだ代表格。


5. スタッフが愛するヨウジの名品たち

NOWALLのスタッフが「これは刺さった」「ずっと着たい」と思った、通好みの名作たちを勝手に語ります。

  • スタッフY:「定番のワイドパンツ。履いた瞬間に“自分じゃない誰かになれる”感覚。歩き方も変わる(笑)」
    Yohji Yamamoto POUR HOMME-HIGHLAND JERSEY TUCK PANTS-NOWALL

  • スタッフM:「チャイナシャツ。前合わせや立ち襟に“和と中の混血”を感じて惹かれた。着倒してます」
    Yohji Yamamoto POUR HOMME 環縫い釈迦釦ブラウス - Ka na ta,Yohji Yamamoto取扱 Dear Joze.  の通販サイト

  • スタッフM:「LOOK30のカーディガン。リンクル素材に花柄って、ヨウジでしか成立しない甘辛バランス」
    Yohji Yamamoto POUR HOMME-Wrinkle Flower Shipping Asymmetric Hem Cardigan-NOWALL

ときに静かに、ときに語りすぎるのがヨウジ沼の特徴。わかる人には、わかる。


6. Yohji沼にハマった人たちのあるある

余談その1:実はあの人もヨウジ派?

ヨウジファンって、芸術家やミュージシャンにめちゃくちゃ多いんです。

たとえば:

  • 山口一郎(サカナクション):ライブ衣装はヨウジ率高め。音楽と黒の親和性ってすごい。
    サカナクション山口一郎】日本ブランドの眼鏡や服を選びがちな理由 | GOETHE

  • Bjork(ビョーク):アバンギャルドな世界観に通じ合うものが。
    MUSIC Tee ミュージックティー】bjork Debut ビョーク デビュー | LIME ON DISH

  • 三宅一生との関係:一見スタイルは違うけど、“布と構築”の思想には共通点も。
    世界的な衣服デザイナー、三宅一生さん死去 84歳 - 産経ニュース

そして、実は海外のラッパーたちもヨウジを着ていることがあるんです。

  • A$AP Rocky:Rick OwensやRaf Simonsと並んで、Yohji Yamamotoのアイテムも愛用しているとされる。彼の黒を基調としたレイヤードスタイルにYohjiの影響を感じる場面も。
    A$AP ROCKYの「最高にクールな」リベンジーーベンのトピックス | TABI LABO

  • Kanye West:ヨウジ本人とのコラボはないが、Kanyeが自身のブランドYEEZYにおいて影響を受けたデザイナーのひとりとしてYohjiの名を挙げたことがある。
    KANYE WEST | clubberia クラベリア

  • Travis Scott:撮影やファッション誌のスタイリングで、Yohjiのルックを大胆にミックスするケースあり。
    Travis 頼もしく Scott

ヒップホップ=ストリートだけじゃない。むしろ“黒”で表現される精神性の深さが、彼らの自己表現と重なるのかもしれません。黒の静けさもまた“強さ”なんですよね。


余談その2:ヨウジ好きあるある?

  • 気づいたらクローゼットが全部“黒”

  • 「これ、どこの?」って聞かれたとき、“答えたくないけど答えたい”矛盾

  • 一度洗っただけで“あ、これ育つやつだ”って実感

  • 「Y-3しか知らなかったのに」からの沼落ち

服だけじゃなく、生き方まで影響され始めたら、それはもう末期です。


余談その3:ヨウジと他ブランド、どこがどう違う?

ここまで読んで「ヨウジって独特なんだな〜」と思った方、正解です。でも、他のブランドとの違いを知ると、もっとヨウジが面白く見えてきます。

  • Rick Owens:こちらも“黒の帝王”。ヨウジとの違いは、Rickが“構築美の暴力”なら、ヨウジは“余白の静けさ”。
    rickowens (RICK OWENS: MENSWEAR AW24 | 10 Magazine Australia)

  • COMME des GARÇONS(川久保玲):同じく日本発のアヴァンギャルドだけど、川久保は“問いかけ型”、耀司さんは“語らぬ型”。
    難解でコンセプチュアルな服を生み出す川久保玲──2016年に輝いたデザイナー | GQ JAPAN

  • Maison Margiela:匿名性という意味では通ずるけど、マルジェラは“解体”、ヨウジは“包み込む”。同じ黒でもアプローチが全然違うんです。
    Maison Margiela(メゾンマルジェラ)公式通販|メンズ・レディース通販|PARIGOT ONLINE

「なんか雰囲気似てるな〜」で済まさず、違いを比べてみると、ファッションがもっと面白くなります。


余談その4:ファッション業界あるある(とくにヨウジ編)

  • “ヨウジ好き”って言うとちょっと一目置かれる(そして距離も置かれる)

  • バイヤーの展示会で全身黒の人がいたら9割ヨウジ関係者

  • 黒の服を着てるのに「今日ちょっと明るいね」と言われる

  • 新作のルックを見て「これいつのやつだっけ?」ってなる(実は10年前と似てるけど違う)

ファッションの深みにハマるきっかけとして、ヨウジは最強です。


7. 黒しか着ないって、逆に自由じゃない?

「黒=制限」じゃない。「黒=余白」であり、「黒=意思」だと思うんです。

誰かに見せるためじゃない。自分のために着る。語らずとも伝わるスタンス。

黒って、気取ってるようで一番素直なのかもしれない──そう思えるのが、Yohji Yamamotoの服。


▶ Yohji Yamamotoのセレクトはこちら:https://nowall-online.com

NOWALLでは、スタッフみんながただ“売る”だけじゃなく、心からファッションが好きで、豊富な知識で語りたい人たちばかり。ヨウジが好きな人も、まだ知らなかった人も、どんな方でも大歓迎です。

「これってどう着るの?」「ヨウジってなんか難しそう…」そんな声にも全力でお応えします。

着る楽しさ、知る面白さ、語るワクワク──ぜひNOWALLで体感してください。お店でお会いできるのを楽しみにしています!